« May 2007 | Main | September 2007 »

July 14, 2007

ZARD 坂井泉水さんの死パートⅡ

坂井泉水さんは皆さんもご存じのように、歌手であり、作詞家である。

詳細な分析はしていないが、詩の方はどうも実体験が多いように思う。

とても、頭の中で仮想空間で経験してきたことを書いているように思えないのである。
かといって、プロの作詞家であるので、100%体験談を書いているのではなく、もちろん想像をふくらまして、一つの詩ができていると思う。

坂井泉水さんの詩は何がうまいかというと、もちろん大筋もお上手であるが、登場する小道具も非常に場面に合っているのである。(例 バスケット・・・etc,)

急に私の話になるが、私自身、今から25年以上前は、主に作曲担当であったが、作詞もしていた。
そこで困っていたのは、私の作詞は、まるで台本のようで、いわゆる粋な演出が無かったのである。
これは歌詞を作詞してみれば分かる。
良い筋書ができて作詞をしていっても、もちろん普通の詩ではなく、歌詞である限り、文字数などが気になる。
そこでよく使うのが小道具であるが、当時の私にはそう言うモノを使う余裕はなかった。

そう言う苦労をしているから、坂井泉水さんの小道具の使い方はよく感心させられる。
もちろん、他のプロの作詞家も色々小道具を使うが、半数ぐらいの曲が次に「・・・が出てくるだろう」と予想がつく場合が多い。
しかし、坂井泉水さんの詩は、予想もつかない言葉で、しかもその詩の大筋から離れないというか、むしろ華やかにする効果がある。
これってすごいこと何である。

最近の歌番組を見ていても、次にどういう歌詞が来るのか予想できる歌手が多すぎる。
もちろん、歌手本人の作詞に限って言えばである。
その点、坂井泉水さんの詩は、まとまりもあるし、予想もつかないし、素敵な単語を選び出してきている。
もっとも、坂井泉水さんのような天才作詞家には、それが当たり前であって、世の中に名曲として残っているのであるが。

次に、どこかに書いてあると思うのだが、多分坂井泉水さんは、多くの場合、詩を先に書いて、曲を後で付けるタイプであろう。
これって、作曲家は非常に楽なんである。
少しでも音心のある人が、目の前に素敵な詩を差し出されたら、少なくとも、出だしの部分、またはサビの部分がその詩を読んでいるだけで出てきて、後は曲としてまとめるだけでよいのである。

私が大学生の頃、友人と二人で、二人ともフォークギターを持って、二人とも歌うポピュラーバンドを組んでいた。
原則、自前の曲であった。
そこで、私たちの周りには有能な作詞家が三人ほどいた。
音楽性とかの比較をしないとすると、その中の一人の女性の歌詞は、ほとんど私が添削すること無しに、しかも詩を読み終わった時点でほとんど曲ができていた。
(まあ、素人の曲ですから、たいしたことはありませんが)(^_^;)

多分坂井泉水さんも、多くの場合、作詞が先と思うので、そこに一流の織田さんのような作曲家が曲を書くとなると、良い曲ができて当たり前なのだ。
もちろん、私たちと、坂井泉水さんや、織田さんと比べる方が間違いだが、一流の作詞家の書いた詩を一流の作曲家の手に渡ると、一流の曲ができて当たり前なのである。

しかも、坂井泉水さんの恋愛観にはある程度普遍性があったと思うので、恋の歌などは、作曲家たちは曲を付けやすかったと思うし、人生の応援歌のようなモノも、坂井泉水さんは、一つのコンセプトを持っていたようなので、作曲家の方も迷わず曲が書けるんだと思う。

ZARDの曲は、素晴らしい坂井泉水さんの言葉で書かれた詩と、彼女を理解していた超一流の作曲家が曲を書くので、私の心に深く残っているんだと思う。

もちろん曲か詩のどちら?と聞かれると迷わず、「詩」と答えるであろう。
彼女の詩は、良い意味でいつも期待を裏切る。
今聞いているフレーズを思うと、次には「・・・・」というようなフレーズかな?なんて思って聞いていると、「******」というフレーズで、全く予想つかないのである。
もちろん、世の中には、次の歌詞が予想できるような曲が好きな人もいるようで、それはそれで別にかまわないが、坂井泉水ワールドに、もしその人たちが触れるとどうなるんだろうな?
ひょっとしてパニックになるのかな?とか考えてしまう。

とにかく、坂井泉水さんの死は、一人の歌手が死んだだけでなく、一人の有能な作詞家も亡くなったのである。
これはJ-POPの世界にとっては大きな打撃である。

次の坂井泉水さんの詩が、もう二度と出てこないと考えると、とても悲しい。

いつになったらこの悲しみから逃れられるのであろうか?

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« May 2007 | Main | September 2007 »